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zoom RSS ガンダムは作成可能か?物理的センスありますか?

<<   作成日時 : 2008/01/25 22:00   >>

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またまた話題をころりと変えますが、今回は巨大ロボットが実現可能か、について議論します。



ガンダムは製造可能か?正しい物理センスとは?



最近のアニメは一見リアルに見えますが、実際にはそのようなリアルさは虚構で、錯覚を巧みに利用したものです。(アニメ作者の意図とは関係なく)。このようなアニメを見た子供が将来ああいうものが実現可能だと思ってしまうことは、物理科学に対するセンスをダメにしてしまうかもしれません。まあ、所詮アニメであり、昔からロボットものはあり、それで、科学研究者の質が落ちているとも思えませんが、正しいセンスを磨くことは重要であるとは思います。



前提


ここでは巨大ロボットの代表として、ガンダムを考えます。話を単純化するために、ガンダムの身長は人間の10倍。比重は1より大きいが1に近いとします。(水中戦があるので)。その他、ガンダムは人間に比較すれば頑丈にできているとします。人間は場合によっては転んだだけで骨折しますが、ガンダムはそれよりは丈夫とします。当然、ガンダムにはパイロットが搭乗しているものとします。



問1:ガンダムの構体の強度はどのくらい必要か?


答えは人間の10倍以上です。すなわち、ガンダムの重量は、身長が人間の10倍ですので、1000倍以上になります。構体の強度は同じ物質であれば、ほぼ断面積に比例しますので、人間と同じ強度であれば、10倍になります。そうすると重量あたりの強度は1/10になるため、逆に構体の強度を10倍に上げる必要があります。(単純に10倍でよいかはわかりませんが)。ガンダムは人間と異なり、中心の骨で支えるのではなく、外骨格のようです。10倍の強度を稼ぐために外骨格の暑さを10倍にすると中身が入れられなくなりますので、よほど強度の高い物質をを使う必要があるでしょう。残念ながら私は材料工学に詳しくないため、そのような物質が現状であるのかどうかわかりませんが、軽量超高強度の物質が必要でしょう。(鋼鉄なんかで作れば、重量オーバーと思われます)。



ところで、人間のサイズは進化の過程でちょうどよいサイズ入っていると言われています。もし今よりも大きければ、転んだだけで骨折しかねず、かと言って小さかったら、人間の生存のための作業に支障をきたす。例えば、狩猟をしようとしても、矢を十分な力で打てず、棍棒で殴っても獲物を倒せない。農作業をしようとしても、鍬を十分な力で打ち下ろせない。といった様なところです。人間よりも大きい動物はいますが、それはそれできっとその環境でそのサイズが適切となるよう淘汰圧がかかったのでしょう。



問2:ガンダムはどのくらいの速度で歩くか?


ガンダムが人間と同様のフォームで歩くとすれば、どのくらいの速度になるでしょうか。単純に考えれば、ガンダムは身長10倍、10倍の速度で歩けば、人間と同様に歩ける、と考えるかもしれません。でもそれは直感的に不自然です。大きい物体の運動ほど、見た目ゆっくりに見えるというのが直感的感覚です。ここでは、人間と同様のフォームというところが問題です。人間と同様の力学的法則で歩かなければなりません。人間がどうやって歩いているか、を検討しなければなりません。うんと単純化すれば、人間は重心を前にずらし、足をてこにして前に進みます。単純化すれば棒倒し運動です。これは振り子と同様の運動です。振り子の周期はT=2π√(l/g)で近似されます。lは重心までの長さ、gは重力加速度です。ガンダムのプロポーションが人間と同じと考えれば、lは人間の10倍になります。gは変わりません。落体の法則で落下運動は質量に左右されません。プロポーションが同じであるならば、lは10倍、従ってTは√10=3.16になります。細かいことを言えば、人間の歩行様式をもっと分析してシミュレーションする必要があるでしょうが、ガンダムはふつうに歩くと、人間の10倍の速度では歩けず、1歩の時間が3倍強になるということになります。人間が1歩0.5秒であるけば、ガンダムは1歩2秒程度になります。アニメでも人間がいるところでガンダムが歩けば2秒とは言わないまでも、歩速は遅く表現されます。ところがロボット同士の戦いでは無視されます。(大きさを比較する相手がないから人間と同様の戦闘で表現されてしまう)。それにしても、人間が歩くたびに足を下ろすときに衝撃がかかります。人間にとってはたいした量ではないでしょうが、ガンダムのパイロットには結構響くはずです。



ついでに、ガンダムが走った場合についても考えて見ましょう。走るという行為は両足が地面から離れてしまいますので、半分は放物運動です。要するに落下時間で1歩の周期が決定します。ということは、人間の十倍の高さまでジャンプするとするとやはり√l則に従うことになるので、1歩の時間は約3倍、人間が1歩0.3秒で走るとすればガンダムは約1秒かかります。このときの衝撃は相当なものです。人間が走ると銃身が30cm上下するとするならば、(この辺の値は適当ですが)、ガンダムは3m上下します。パイロットは1秒ごとに3mの落下に耐えなければなりません。少なくとも首を保護しないと、骨折か、むち打ち症ですね。ガンダムが転んだりしたら大変です。いきなり足をすくわれて、受身を取れずに転んだとします。人間でもマットの上ならいざ知らず、大怪我をする可能性があります。ガンダムが身長の半分10m程度落下したとしましょう。パイロットはいくら保護されていても無事ですむとは思えません。



問3:ガンダムは空を飛べるか?


これが一番の難問です。初代ガンダムは空は飛べず、背中の推進器を補助としてかなりの高度までジャンプできるだけでした。ジャンプできるだけでも、すごいパワーを持っているはずです。ところが最近のガンダムは地球上で軽々と飛行して見せます。ガンダムは宇宙でも活動できるので、推力はジェットエンジンではなくロケット推進方式のはずです。ガンダムが推進剤を補給しているところなど見たことありませんが。現在のロケットで一番効率のよいエンジンは液体水素+液体酸素方式です。ガンダムの重量を80トンとしましょう。80トンを持ち上げることのできるロケットはどのくらいの規模になるでしょうか?

参考:F15戦闘機:空虚重量13t、最大離陸重量31t、推力:10,640kgf×2 (Wikipediaによる)

H2Aロケット:第1段:LE-7Aエンジン、質量114t、推薬重量101.1t、推力1,098kN、非推力440sec、有効燃焼時間:390sec
第2段:LE-5Bエンジン、質量20t推薬重量16.9t、推力137kN、非推力447sec、有効燃焼時間:530sec (Wikipediaによる)

1N=9.8kgfであるから、H2A第1段は推力10768kgf、第2段は、166kgfです。従って、現在の最効率エンジンを使っても、ガンダムの重量のほとんどを推薬と推進器にまわさなくてはならないことになります。また、活動時間が著しく不足する。従って、化学エネルギーに頼る推進システムは使用できないことになります。核融合推進等を使って、比推力を100倍以上に高める必要がある。それでも相当な重量を推薬と推進器にまわさなければならないので、ガンダムを単独で飛ばすのはあきらめた方がよさそうです。もっともガンダムには「ミノフスキー粒子」や「GN粒子」などわけのわからない技術が出てきていて、これが推力を生じさせていることになっているのかもしれませんが、現代の技術の延長の範囲内では、ガンダムは飛べそうにありません。


もう一つ気になるのが、初代ガンダムはバックパックにしか推進器がないのにどうして宇宙空間でまっすぐ飛んだり姿勢制御したりできるのでしょう?Zガンダムではあちこちにスラスタが付いているようで、これなら自由に動けるかな、と思いますが、他のガンダムは何かごまかしているようです。それにしてもスラスタにはそれなりのノズルがないと効率的に推力を生み出せませんが、どこにあるんでしょう?。飛べるはずのないロボットの元祖は鉄人28号ですが、背中にロケットエンジン二つだけ、おまけに重心に対して推力方向がずれている。私は子供心にも不思議に思ってました。



問4:ガンダムはどうやって操縦するか?


これは根本的な問題で、解決策はないです。でもこれを否定するとロボットアニメが成り立ちません。できると思って見ているしかありません。手足(や指)を操縦者がマニュアルでコントロールするのは不可能で、他のことが何もできなくなります。A/Iで自動制御を行ってもいいのですが、人ごみと障害物をどうやって識別するのでしょう?相当高度なA/Iが必要です。それでもって、操縦者の意図にはちゃんと従う。現状で考えられない高度な技術です。



問5:宇宙戦争は可能か?


これも否定すると、宇宙ものアニメが見られなくなりますので、これも可能なことにしておくしかありません。しかしながら、ISSにデブリがぶつかる危険性が取りざたされるように、衛星軌道では秒速数kmで物体が飛んでます(自由落下してるだけですが)。すなわち、質量が小さくても運動エネルギーは猛烈に大きいのです。スペースコロニーを破壊するのはおそらく簡単でしょう。核など使う必要はないでしょう。たくさんの物体を高速で軌道に乗せて狙い打つだけでよいのではないでしょうか。デブリ迎撃システムがあるとしても、処理しきれないくらい投げつけてやればよいのです。とにかく宇宙艦隊を送っても、敵との相対速度は数km/sec以上になりますので、勝負はほんの一瞬、モビルスーツなど出る幕はないはずです。いくら「ミノフスキー粒子」でレーダが使えなくても宇宙空間なら可視光で探知すればよいだけです。それよりも前に、何で艦隊戦が必要なんでしょうね。本格ハードSFの世界でも、宇宙戦争はあまり出てきません。見事な宇宙戦争の例はニーヴン&パーネルの「神の目の凱歌」を思い出します。宇宙戦争が必要になる見事な舞台設定がなされています。それでも、宇宙船同士の戦いは、数十万km先の敵にレーザを照射することになっています。数十万kmとなれば、光でも往復に秒単位かかるので、避けられる可能性が出てきます。駆け引きの余地が出てきて、面白い読み物になっています。リアルな宇宙戦というのは全然ヴィジュアルじゃないんですね。



突っ込めば突っ込みどころは満載ですが、このくらいにしておきます。


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